3月は樋口清之先生に「蟹がおまけのがんもどきカレー」はいかがでしょう。 |
「しゃべる博物館」の異名をもち、ベストセラー著書『梅干しと日本刀』以後は
「梅干し博士」として知られており、著書は180冊以上に及んでいます。
1909(明治42) 奈良県桜井市芝に生まれる。
樋口家は織田長益(有楽斎)の子孫の普請奉行として安泰の日々を
送っていた宮部氏の出身である。
1921(大正10)12才 奈良県立畝傍中学に入学。
2年生の時、考古学に興味をもち県内各地を回り、
3年生の時、考古学雑誌に10数篇を投稿。
この年の秋、考古学の鳥居竜蔵博士の講演を聞き
、更に情熱を燃やし学問として考古学を深めていった。
1927(昭和2)18才 國學院大學文学部国史学科に入学。
1928(昭和3)19才 自身の収集品をもとに大学内に考古学標本室が創設され、
後の國學院大學博物館の前身のひとつとなった。
1932(昭和7)23才 國學院大學卒業。
1934(昭和9)25才 以後、國學院大學予科講師、教授、学部教授を歴任、
名誉教授。
1981(昭和56)72才 國學院大學栃木短期大學学長、名誉学長、他に博物館学、
風俗史学、考古学の要職を歴任している。
受賞の数々は
1973(昭和48)64才 紫綬褒章
1975(昭和50)66才 日本放送文化賞
1979(昭和54)70才 勲三等旭日中綬賞
1996(平成8)87才 渋谷区政功労者表彰
そこで奈良生まれ奈良育ちの樋口先生が随筆紀行『まほろばの国を尋ねて』の
中で奈良の春の行事について分かり易く紹介している。
3月の声を聴くと、
年寄りが『いよいよ二月堂さんのお水取りがはじまるなぁ。』と。
3月の雛祭り。古い日本の伝統的信仰。春の禊祓いの為の人形を祭り、
やがて人々の悪や災難を代わって身につけた人形を川に流す行事である。
3月12日春日大社の申祭り。
上卿参向の平安時代の絵巻物を見るような勅使や神官の行装、
王朝時代にかえる感じがした。3月21日はお彼岸。
4月3日は神武天皇祭(戦前の大祭)。橿原神宮の境内で売られる
赤いモズクガニを思い出し、これが大和の田舎の春の風物詩と。
4月8日中宮寺花まつりで尼僧が優しく微笑みながら小さい菓子包みを
配っていた事等。
そこで樋口先生にカレーですが、『蟹がおまけのがんもどきカレー』は
如何でしょう。
『梅干しと日本刀』の中で、がんもどきはコロッケをヒントに作られ、
中のごぼうは漢方で使われ、コンニャクはコレステロール溶解作用があると
記されている。
材料 白米、ターメリック、塩、梅干し、粉末おから、長芋、卵、片栗粉、
姫ヒジキ、自家製カレー粉、ごま油、青ネギ、人参、ごぼう、
サラダ油、こんにゃく、松葉蟹、赤ワイン、玉葱、クミン、
ニンニク生姜ペースト、昆布水、自家製カレールー、バター、
竹輪、ブロッコリー、紫キャベツ、ハラン。
作り方 ①ターメリックおにぎり
白米2合に塩一つまみ、ターメリック小スプーン1/2杯入れて、
通常通り炊く。
炊上がってから少し冷まして、梅干し小1個を中に丸く握っておく。
②がんもどき
粉末おから30g、長芋30gをすったもの、卵中1個、細切り人参20g、
輪切り青ネギ10g、乾燥ヒジキ2g、ささがきごぼう少々、
片栗粉大スプーン1杯、水70㏄、ごま油少々、カレー粉小スプーン1/2杯
全部を混ぜ少し時間を置く。
全体を6等分して、周りに小麦粉と片栗粉をまぶして多めの
サラダ油で両面焼く。乾燥ヒジキは塩梅よく水分を吸ってくれる。
③②のフライパンのサラダ油大スプーン1杯を残して、その中に
クミン大スプーン1杯、ニンニク生姜ペースト大スプーン1杯、
玉葱中1/2個のみじん切り、塩少々入れて透明になるまで
炒める。
続いて灰汁抜きしたこんにゃくの大き目短冊切り、
ごぼうと竹輪1本の斜め切りを加えて更に炒める。
④がんもどきカレー
③にカレールー2人分、昆布水1cupを加えて②のがんもどき、
蟹のほぐし身を入れて約10分煮る。
⑤蟹の爪はバター10gで両面軽く焼き、赤ワイン1/2cup入れて
蒸し焼きにする。
⑥お皿にハランを敷いて、①のターメリックおにぎり2個、
④のがんもどきカレー⑤の蟹、細切りの紫キャベツ、
軽く茹でたブロッコリーを置いて出来上がり。
松葉蟹の身はカレールーに入れても、別々にほぐして食べても相性が良く、
見事な味で美味しく食べられた。
粉末おからは大量に貰ったので使ってみて正解だった。