魁夷先生に「鉛筆パンとソーセージ・ザウワークラウトカレースープ」はいかがでしょう。 |
唐招提寺と魁夷先生は切っても切り離せませんね。
何といっても御影堂障壁画を足かけ10年以上に亘って制作された画家ですもの。
明治41年(1908)横浜市に生まれました。本名は東山新吉。
大正15年(1926)18才で東京美術学校(現在の東京芸術大学)日本画科に入学。
在学中21才で第10回帝展に「山国の秋」を初出品、入選しました。
結城素明先生に師事し、雅号を「魁夷」と命名。
雅号については『美校を出る時分に誰にも相談しないでつけたので、意味という程
のものもない。』然し『東山という姓が京都の山を連想する為か、何となく優しい感じで
あるのに対し、その逆のものを持ってきたのである。若い頃の反発的な気持もあって、
なるべく類型のない荒削りな感じの雅号をつけたのである。』と著書に書いています。
昭和22年39才、第3回日展に「残照」を出品、特選となり政府に買いあげられる。
以来、風景を題材に独自の道を進む事になりました。
昭和31年48才、第11回日展に「光昏(コウコン)」を出品、これで日本芸術院賞を受賞。
52才、東宮御所大広間の壁画「日月四季図」を完成。
57才、日本芸術院会員に任命され、日展理事に就任。
60才、皇居新宮殿大壁画「朝明けの潮」を完成。
61才、第10回毎日芸術大賞、文化勲章を受章。文化功労者に選ばれます。
昭和50年67才、唐招提寺の第1期障壁画「山雲」「濤声」が完成。御影堂に奉納。
68才、ドイツ連邦共和国大統領から功労大十字勲章を贈られる。
72才、第2期障壁画「黄山暁雲」「桂村月宵」「楊州薫風」を完成、奉納。
73才、鑑真和上像厨子内壁に「瑞光」完成。
77才、西ドイツの学術・学芸の最高のプール・ル・メリット勲章受章。
80才で千葉県市川市の名誉市民。
87才長野県山口村の名誉村民に選ばれます。
生前自身の作品の多くを東京国立美術館と長野県に寄贈。
今は長野県の東山魁夷館、兵庫県立美術館、香川県立東山魁夷せとうち美術館、
岐阜県中津川市東山魁夷心の旅路館の各地で作品を身近に接することができる
のです。
魁夷先生の作品を最初に目にされたのは、おそらく中学の教科書にのっている
「道」(昭和25年制作)ではないでしょうか。
青緑の画面中央に唯1本の白い道あるのみ。
また電機会社のテレビのコマーシャルに採用された「緑響く」もあります。
魁夷先生は制作の合間によくモーツアルトのレコードをかけていたそうです。
あるときK488第2楽章を聴いていると、1頭の白い馬がためらいながら、横切って
いく情景が浮かんだそうです。
勿論「唐招提寺」御影堂の障壁画ですね。
毎年鑑真和上の命日6月6日を挟んだ3日間公開されます。
玄関上がったところから独特の雰囲気があり、続く「宸殿の間」に一歩足を踏み
入れた途端、荘厳さに参拝者は圧倒されるのです。
拝観をお勧めします。
そこでカレーですが「鉛筆パンとソーセージ・ザウワークラウトカレースープ」は如何でしょう。
鉛筆パンとは細長いイタリアのパン「グリッシーニ」の事で、デッサンに使う色鉛筆に
どこか似ていませんか。
魁夷先生はドイツに留学していた時、彼の地の荒挽きソーセージやキャラウェイ入りの
ザウワークラウトを食べていたのではとカレースープにしてみました。
材料 キャベツ、塩、キャラウェイシード、薄力粉、ベーキングパウダー、玉葱、人参、オリーブ油、
昆布水、荒挽きソーセージ、自家製カレールー、自家製カレー粉、万願寺唐辛子。
作り方①先ずザウワークラウトを2日程前から用意しておきます。
中位のキャベツ1/2玉を千切りにして、塩大スプーン1杯をまぶし、よく揉み、
キャラウェイシード小スプーン1杯を加えて更によく混ぜビニール袋に入れます。外に
置いて2日間、色が黄色になれば中の空気を抜いて、ピンに入れ替え、
冷蔵庫で保存します。
②次にグリッシーニ。
ボールに薄力粉100g、ベーキングパウダー3g、塩少々入れて混ぜ、その中に
オリーブ油5g、キャラウェイ小スプーン1杯、水50ccを少しづつ加えて練り上げます。
丸くまとまれば台に移してめん棒で5㎜厚さに延ばし、5㎜巾に切って、
170℃のオーブンで15分焼きます。
③最後はカレースープ。
フライパンにオリーブ油大スプーン1杯入れ、玉葱中1/4コのミジン切りを透き通るまで
炒め、続いてキャベツ1/4玉、人参中1/2本のざく切りを加え軽く炒め、昆布水2カップ
と塩少々加えて一煮立ちさせます。
少し冷ましてミキサーで約1分。荒い状態でフライパンに戻し、自家製カレールー
1/2パック、小口切りのソーセージ2本、ザウワークラウト一つかみ入れて一煮立ちさせます。
味見して薄ければ塩少々足し、最後に自家製カレー粉少々振り入れます。
深皿にカレースープ、焼いたソーセージ各自1本、青味に万願寺唐辛子の小口切りを
乗せて出来上がり。
キャベツを大量に食べると云う料理です。
キャラウェイは人や物を引きとめたり、結びつけたりする力があるそうですよ。
爽やかな香りでドイツパンによく使われています。
細長いクラッカー、グリッシーニは折って食べると、ちょいヨーロッパ感が味わえますね。