番外編 「東大寺」と作家の方々 |
45代聖武天皇の皇太子「基親王」の菩提を弔う為の山寺『金鐘寺』として728年
建立されました。
その後、全国の国毎に国分寺、国分尼寺を置くことになり、「大和国」ではこの寺が
官寺として加わることになりました。742年。
正しい呼び名は『金光明四天王護国之寺』。
聖武天皇は都造りの地を求めて彷徨5年。
今一度「平城京」へ戻ってこられ、この地に<大仏>さまを造り、仏教の力を借りて国を
治めようとされたのでした。
<大仏>さまの開眼745年。
今では「東の大寺」、『東大寺』と呼んでいます。
この『東大寺』をテーマに作品を書かれた作家がおられます。
「井上靖」先生です。
昭和25年(1950)発表の「漆胡樽」、翌年発表の「玉碗記」。
前の作品は正倉院御物の一つで、おそらく水や酒などをいれた容器、後の作品は
西域渡来の古代のカットグラスと、器物が主人公になっています。
この時のカレーは「祁連のタマリスクカレー」というマトンカレーです。
もうお一人は「今東光」先生。
型破りな和尚さんでしたね。
昭和28年(1953)発表の「役僧」。雇われのお坊さんと女易者の艶っぽい話。
大仏殿の裏道、塔頭寺院、二月堂、三月堂、手向山八幡などの東大寺の境内、
今の散歩道が登場しています。
カレーは「大和のこつまカレー」。
河内弁のこつまな(小さい)、伝統野菜でねっとりと粘り成分ムチンの多い事で知られる
里芋を使っています。